「兄弟蝶」
どらぽん
いもむしの兄弟がいました。
いもむしの兄は、青い色をしてまして、いもむしの弟は黄色を
していました。
二人は、仲良く葉っぱを食べていました。
「なあ、オレたち将来はなにになるのかな? 」
弟がいうと、兄は、
「そりゃあ、空を飛んで、飛びまくって、ちょうちょ
になるのさ」
とかいいます。
「ほんとう? 空飛べるかな」
「そりゃ、飛べるさ」
自信ないな。と、弟のいもむしがいいます。
ある日のこと、
「この葉っぱ、めちゃめちゃうまい、うまい」
弟がいいだして、兄は、
「そうかな? フツーと変わらんが・・」
とかいっていますと、弟が、
「兄ちゃん、からだへんだ。かたくなってくんだ」
「どうした? どうした? 」
兄さんいもむしは、おどろいていいますが、
弟のいもむしは、たくさん食べたら、大きくなった
かと思うと、さなぎになったのです。
それから、しばらくして、兄さんいもむしも、
さなぎになりました。
兄と弟は葉っぱの近くで、仲良くさなぎになりました。
そうして、弟のさなぎから、ちょうちょがうまれました。
兄さんも、ちょうちょになって、弟を追いかけました。
「やったー。やったー」
「空を飛べるぞ! 」
兄弟そろって大喜びです。
「カマキリや、クモには気をつけろ」
と、兄がいうと、弟は、
「当たり前! 」
とかいうと、「見ろ! 花だ! 」
と花のみつをすいます。
「あの花うまい。この花うまい」
「うんうん」
兄弟は、ほがらかです。
「葉っぱも、うまいが、花のみつは、
もっとうまいな」
「うんうん」
ちょうちょが、空を飛んでいます。
2匹のいもむしが兄弟です。
兄弟いもむしが、さなぎになって、
ちょうちょになって、きっと野原の
花の群れには、兄弟のちょうちょが
仲良く飛んでいるんだと、想像してね。
おしまい