「カニ子専」
どらぽん
大きなカニが二匹いました。夫婦でした。
夫のカニがいて、いろんなカニのメスと交際して、
卵を産ませていました。
いわゆる浮気ですね。
そうしたら、奥さんのカニが怒って、夫のカニを殺して
食べてしまいました。
妻のカニは、卵を産めないカニでした。けれども、
すごく、大きなカニでした。夫のカニを食べてしまうというのも、
カニバリズム? カニを食べるカニになりました。
夫の子どものカニや、夫の浮気相手のカニも食おうと、狙い始めました。
メスの大きなカニは、カニを食らうカニとして、そこの住んでいる、川や
池や沼の生物たちから、女王ガニとよばれました。
巨大で残酷なカニでもありました。
大王のように、でかく、そして怖い女王ガニを倒すべく、カニの子どもたちが、
集まって泣くのです。それは母カニを女王ガニに食べられた、それからです。
子カニたちは復讐を誓い、川の上流へと逃げて修行に明け暮れたのです。
子カニたちの何匹かは、修行についていけず、無念な死を遂げました。
上流には食べ物も少なく、そして、生きるのも困難を極めました。
それは、まさに生きることが修行でもありました。
子カニたちは、いくら飢えても子カニを、食らうカニバリズムはしませんでした。
食べなくても生きるのびること、女王ガニを倒すこと。
それら、復讐こそいのちの糧でした。
そしてです、子カニのなかの勇敢な3匹の子カニが、女王を倒すべく、
川を下りて、池へと足を運びいれました。
池のカニはみんな食べられて、1匹もみあたりません。
そして、
「みつけたあ」
「ひええ」
3匹のカニは、恐怖で、体全体が凍り付きました。
あまりの巨大さ!
「久しぶりにカニが食える。wwww」
想像をはるかに越える大きさで、巨大なハサミ1つだけでも、
恐怖の象徴というべき大きさで、子カニの体より大きいくらいです。
子カニはもはや、全滅を覚悟しました。
「ちいさいのう」
子カニの1匹が、覚悟を決めて最後の勝負に出たのです。
「どうか、僕を食べてください。その代わり他の2匹を助けてください」
にたあw。と、女王は笑って、
「どうしようかのう」
とか言って、
「いいだろう」
ほんとは、助ける気持ちなんて微塵もありません。
女王は、にたあとまた笑って、子カニをバリバリ食べました。
それから、のこった2匹のカニを、また見て笑い、ハサミを持ち上げた瞬間、
「ぐううおお」
と、うめいて、あわを吹いて、倒れこみました。
「や、らら、れたたああ」
「・・」
「毒を仕込んでいたのかあ」
女王はそう言い残して、死にました。
女王は永遠に池から姿を失ったのです。
2匹の子カニは涙しました。子カニたちは、
勝利したのですから。
おしまい