「のろまな王様」
作 どらぽん
動物たちの国がありました。
動物たちで一番えらいのは、昔はライオンでしたが、ライオンは肉食なので、弱い動物たちが、ライオンをキライにになったので。牛が一番えらい動物に決まりました。
牛は、一番えらいのですが、動作がにぶくて、何事も遅いので、去年のさらに去年の仕事が、今年になっても終わりません。
「やれやれ」
動物たちは、そう言い合って、牛の王様をバカにしはじめました。
のろまは、えらい。おそいおそい。草をむしゃむしゃ。何度も食べる。むしゃむしゃ、とか。
バカにした、歌みたいなのが、はやりだしたりして、
牛の王様は怒って、手を下すと、うたを歌うと、罰しようと、手下である、犬たちに、命じました。
犬ではらちがあかないとするや、牛の王様は、犬ではなくて、オオカミに命じて、牛の王様に従わなければ、弱い動物たち、皆殺しだと、いわばかりで、力の弱い動物たちは、みな、従いました。
けれども、弱い動物たちは、困り果てて、ライオンやら、象やらなんやら、強そうな動物に、一番えらい王様の動物になってもらおうと、頼みました。けれども、牛はうまそうだから、食べていいなら、王様になってもいいと、ライオンは言うのです。強い動物に弱い動物は食べられるだけ、強いやつは弱いやつを食うことしか考えていないのです。
唯一強くて、弱い動物を食べない、象は言いました。一番いい水場と、草を占有できるなら、王様になってもいいと言うのです。
それでは、弱い動物たちは、水も飲めず、草も食えず、飢えてしまいます。
だから、牛に王様であり続けてもらうしかありませんでした。
しかしながら、牛はのろいのです。
すべてがすべてです。
あんまり、のろまな牛ですが、ある日耳のなかに、あぶがはいりこんで、牛は、びっくり、仰天して、驚いたのが、牛がそのとき、驚くほどのスピードアップしたのです。
なんか、スゲエ早い!
弱い動物たちも、その他強い動物たちみんなが、驚きました。
牛は、本当は速いんだ!
あぶ! でかした!
動物たちは、弱い動物たちほど、みんな、あぶをほめました。
牛は、それからは、みんなが、のろいなあ!
と、いらだつと、弱い動物が、あぶを引っ張ってきて、牛の耳のなかで、騒いでもらうのです。
すると、牛は、素晴らしいスピードで活躍したということでした。
牛の王様、のろいが、速いんだ、
なんてww
おしまい